格言再考-格言はどんなことを述べているか
よく知られている50ほどの格言を例にして考えてみましょう。簡単に分類すると次のようになります。
親子関係 |
慎み・慎重 |
三つ子の魂百まで
老いては子に従え
親思う心にまさる親心
孝行のしたい時分に親はなし
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知恵は小出しにせよ
長所は短所
年寄の冷水
油断大敵
井の中の蛙大海を知らず
初心忘るべからず
過ぎたるはなお及ばざるが如し |
忍耐 |
勇気 |
短気は損気
七転び八起き
待てば海路の日和あり
禍を転じて福となす
石の上にも三年
窮すれば通ず
十年一昔
笑う門には福来る |
義を見てせざるは勇なきなり
案ずるより産むが易い
虎穴に入らずんば虎子を得ず
大勇は怯なるが如し
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憐れみ |
言葉 |
無くて七癖有って四十八癖
情けは人の為ならず
人は落ち目が大事
我が身をつねって人の痛さを知れ
思し召しより米の飯 |
話上手の聞き上手
沈黙は金、雄弁は銀
口は禍の門
嘘も方便
褒めて千人悪口万人
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人間関係 |
知恵と成功 |
忠臣は二君に事仕えず
毒を以て毒を制す
長い物には巻かれる
負けるが勝ち
寄らば大樹の蔭
朱に交われば赤くなる
人の振りみて我が振り直せ
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満足することを知れ
三人寄れば文殊の知恵
鉄は熱いうちに鍛えよ
時は金なり
二兎を追う者は一兎をも得ず
終り良ければすべて良し
失敗は成功のもと
仕掛け七分
損して得取る
大器晩成 |
その他 |
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捕らぬ狸の皮算用
六十の手習い
柳に雪折れ無し
病は気から
論語読みの論語知らず |
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格言は生活のあらゆる面に及んでいます。特に人間関係に関するものが多いようです。苦しい経験を通して悟ったのでしょう、憐れみの重要性が強調されています。勇気を出し、忍耐するよう励ましている格言も印象的です。また、失敗から学んだのでしょう、失敗しないように勧める格言も目立ちます。こうして、油断や言葉の面など、人間が失敗しがちな分野に気づくこともできます。先人達は成功し勝利を得るための心得を繰り返し訴えているように思えます。