第24話「ネモフィラの青い瞳」(-その1-)
小さな可愛いネモフィラが、広いお空に向かってお話しています。「ねェ、大きな大きな青い空さん。私は小さいけど、あなたと同じ色をしてるでしょ。私ネモフィラって言うの。英名では、ベイビー・ブルー・アイズって呼ばれているんだけど・・どうかしら、私・・赤ちゃんの青い瞳にそっくりでしょ!でも、私大人なのよ」。お空は何にも答えません。でもネモフィラは続けます。「私、あなたと同じ色なのはなぜかって、知ってるかしら。私はあなたを映し出しているだけなの。実は私、人間の心も映し出しちゃうのよ。驚くでしょ!」と自慢します。お空はやっぱり何にも答えてくれません。ネモフィラはまた話します。「私をみつめる人間が悲しい顔をしていると、私も悲しくなっちゃって・・同じブルーになるの。でも、人間が明るく朗らかな眼で見つめる時は、私も嬉しくなっちゃって・・晴れ晴れとしたスカイブルーで輝くの。私の事、嫌いだって見る人には・・私もイヤだなあ・・と思うから汚く映っちゃう。人の心がわかっちゃうのって、ちょっと辛いわ。大人ってこうなのよね」と、またまた自慢します。何でも知ってる大人のつもりなのでした。それでも、お空は、黙ったままです。 つづく

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