▲目次へ戻る
第18話 とら・とら・ケーキ
らちゃんは、ケーキ作りが大好きな子供です。だって、ママはケーキの達人で有名な大先生。去年だってママの作ったケーキが、日本発でヨーロッパやアメリカまで広がりセンセーションを巻き起こしちゃったんです。その遺伝子を受け継いだとらちゃんが、ケーキを作るのは当たり前です。でも、とらちゃんは飽きっぽくて移り気・・それで、いつも未完成のまま放り出してしまいます。今日も、忙しいママはお留守です。とらちゃんは、宿題をしないで机に頬杖を突き、秋の空を見上げています。自分の食べたいケーキの事を、考えているのです。「よし!」と、立ち上がりキッチンへ向かいケーキを作り始めました。「秋だから・・マロンケーキにしよう」と、マロン刻みに取り掛かりました。しかし、途中で「シナモン好きだもん・・入れちゃおうと」と、マロンの上にかけました。「あっ、でも・・やっぱり秋だから、柿の実をスライスして重ねよう!」と、柿を重ねていきました。さらに、「あたし、ショコラは欠かせないし・・」と、またまた重ねました。その内に「アップルの甘酸っぱさも・・いいなあ」と、移り気のとらちゃん。独り言を、ぶつぶつ言いながらアップルもチーズも重ねちゃいました。そして・・いつものように・・「もう!やーめた!」と、オーブンに入れる前に飽きちゃてサッサと自分の部屋に戻ってしまいました。ママが帰ってきます。とらちゃんの未完成ケーキを見て、とても嬉しそうにオーブンで焼きはじめました。ママが仕上げた今年の評判のケーキは、しま模様で・・その名も『とら・とら・ケーキ』! 秋限定のケーキが、今年も発売しました。あなたも いかが! おわり
前のページ  次のページ

●無料ページです。

▲目次へ戻る ▽通常表示 ▲著作者用

Member's Online Book Ver4.00+ License[00000]