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第12話 森のいねむりレッスン
- その1 -
かほかの春の訪れで森の中は大慌てです。冬眠から覚めたクマやヘビがお腹を空かして、小さな動物たちを狙い始めたからです。リスやウサギやカエルは、のんびりと春の日なたぼっこができません。ほかほかの日なたで、いねむりするのが大好きなのに・・・。草や木も芽吹いてきましたが、まだ葉っぱも小さく隠れ場所もありません。小さな動物達は緊急会議を開きます。そして、日なたでいねむりしていてもクマやヘビに捕まらない方法を、あれやこれやと意見を交わしました。でも、納得のいく方法が見つかりません。最後に、一匹のカエルが言いました、「僕が里に行った時、人間のおばあちゃんがとても上手にいねむりしていたのを見たことがある」と。それで、全員一致で決まったことは、里のおばあちゃんのいねむりを学ぼうということでした。誰かが代表して、いねむりレッスンのために里に下ることになりました。誰がいいのでしょう。つくしん坊でくじ引きが行なわれます。一本だけつくしの頭がくっついていない茎を引いたものが当たりです。ウサギのピョコちゃんに当たりました。ピョコは鼻をヒクヒクさせながら大勢の動物達の前で誓いを述べます、「しっかり、いねむりをレッスンして帰って来ます」。  つづく
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