▲目次へ戻る
第3話 春に挨拶しませんか?
の息吹を感じますか?貴女の気を惹こうとして顔を持ち上げているオレンジ色のチユーリップが目に飛び込んで来ませんか?  何もわかりません? まあ、生きることで精一杯ですって? そんなに疲れているの? 自分自身のことさえ嫌いになって、生きていく自信もないなんて大変ね。ようやく自分を引き摺って生きている時なのね。誰にも自分のこと理解してもらえないって感じて、独りぼっちでもがいていたこと、私もあるわ。貴女、今苦しいのね。可哀そう・・・時間をかけてゆっくりこの状態から脱け出せるように、ー諸に考えましょうか。 でも、その前に春にご挨拶しませんか。だって、貴女に春がラブコールを送っていますもの。ちょっとだけ自分を離れて、周りに目を留めて春の草花のカーニバルに参加しましょう。 踊るタンポポに優雅に飛ぶパンジー、クロッカスのコーラスとラベンダーのソロ。 アネモネのソプラノに貴女も誘われません?  しばらく目を閉じて、このまま昼寝にしましょうか。 

 「生きるのに疲れし我に神の意か 命吹き込む三日の眠り」 Mrs.ポピー
前のページ  次のページ

●無料ページです。

▲目次へ戻る ▽通常表示 ▲著作者用

Member's Online Book Ver4.00+ License[00000]